あまり知られていないが、名古屋には「歯の博物館~歯と口の健康ミュージアム~」という博物館がある。
もし周りに名古屋出身の人がいたら、「歯の博物館」のことを訊いてみるといい。「何それ、知らない」と一瞥されると思うので。
名古屋観光のついでにぴったり!

「歯の博物館」は地図で見ると名古屋城のちょいと右下(?)、名古屋テレビ塔のある久屋大通駅から、久屋大通公園という大きな公園のすぐ隣。
名古屋観光のついでに立ち寄るのにぴったりな立地だ。
駅から徒歩5分、まっすぐ歩いていくだけなのですぐわかると思う。
さっそく入ってみよう(入場無料)

愛知県歯科医師会館の一階が展示コーナーとなっている。
営業日は木・土・日曜日のみなので注意。
愛知県歯科医師会マスコットキャラクターの「はちまるくん&にいまちゃん」がお出迎えしてくれる。
受付で検温をして入場する。無料。
中はこじんまりとしていて、30分くらいで全部の展示を見られると思う。

※ちょっぴり閲覧注意|子供の歯の模型って怖いよね

乳歯と永久歯の歯の模型。
9歳ぐらいの子供の、乳歯と永久歯が混在している状態の模型もあった。
※若干閲覧注意です。

動物の歯の模型もあるよ
ヒト以外の動物の歯の模型もある。噛むことはどんな動物にとっても大変重要なことだ。
脊椎動物(背骨のある動物)にはほとんど歯があり、形や本数、生え方が各々異なっている。

左からヒツジ、猿、トラの頭蓋骨。
これら哺乳類は乳歯から永久歯に一生に一度だけ生え変わる(二生歯性)。動物の種類によって歯の数が決まり、切歯、犬歯、小臼歯、大臼歯の4種類がある。
こちらはホオジロザメの上下顎。


サメ類の歯は、一本でも歯が欠けたり抜けたりすると後ろの歯列がせり上がってきて、古い歯列を押し出して何回でも生え変わるらしい。
顎関節のしくみについて触って学ぼう

顎関節は上あごと下あごの窪み、その間の関節円板(骨ではなくて繊維がぎっしり詰まったもの)からなる。この顎関節を支点として、咀嚼筋の働きで下顎骨を動かして噛むことができる。
噛むときの顎の動きかたをこのような模型を使って学ぶことができる。
触ったあとは手指をアルコール消毒しましょうね。
昭和初期の歯科用治療椅子が見れるよ

昭和6年頃に歯科で使われたという治療椅子。
歯科医療機器総合メーカー[吉田製作所]のもので、今でも多くの歯医者で治療椅子が使用されているようです。
リクライニング式のチェアと、うがいするところが付いていて、今のものと大きく変わらない。


他にも昔のエアーコンプレッサー・レントゲン装置、いろいろな抜歯器具などが展示されていた。


昭和初期の歯磨き剤と歯ブラシの展示

昭和初期の袋入りの歯磨き剤と、木製の柄の歯ブラシ。
おなじみのライオン製。
江戸時代の浮世絵まである

1853年、歌川国芳「きたいな名医難病療治」。
画面には様々な病気の治療風景が描かれている。

下には歯を抜いているところが描かれ、「歯の痛むというものは中々難儀なものでござる、これは残らず抜いてしまって、上下とも総入歯にすれば、一生歯の痛む憂いはござらぬて」というセリフが書かれている。物騒だ。
これが呪術師の歯だ!

7〜8千年前の縄文時代の成人男性の頭蓋骨。

上下の歯が4本ずつ抜歯され、前歯に溝が掘られている。
このような風習は呪術師などのある特定の 人にだけ行われたとのこと。
溝を掘るのに使われた貝殻↓

虫歯の辛さを表現した造形物がかっこいい
1780年代にフランス人が作製した象牙彫刻のレプリカ。

左側には歯の虫が人をむさぼり食う様子が彫られており、
右側には歯の痛みの苦しみが地獄にたとえて彫られている。
不気味な蛇の餌食になっている様子は少し怖い。
当時の歯痛がどれほど辛いものだったのかが表現されている。
ちなみに筆者はフィリップスのソニッケアーとエアーフロスを使うようになってから歯医者でめちゃめちゃ褒められるようになった。↓下記は私のもう一つのブログです↓
歯の博物館へ行こう!
昭和の治療器具や、歯に関する美術作品まで鑑賞することができて楽しい時間を過ごすことができた。
決して広くはない展示スペースだけれど、ずいぶんユニークな文化空間だな、という印象を受けた。
説明もわかりやすく、子供の自由研究などにもいいかも。
ひと味違う名古屋体験に、ぜひ行ってみてはいかが?
アクセス
〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3丁目5−18 愛知県歯科医師会館1F
あいち口腔保健センター内
地下鉄名城線・桜通線「久屋大通駅」2A出口より北へ徒歩5分。
営業時間・定休日
木・土・日の10:00~16:00
定休日⇒水・金・月・火
料金
無料
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