戦時下に強制労働が行われていた場所「化石の地下壕」

岐阜

瑞浪市民公園に戦争遺跡を発見

岐阜県にある「瑞浪市民公園」をうろうろしているときに突然現れた洞窟。

よく見てみると、看板にはこのようなことが書かれていました↓

「この地下壕は、第二次世界大戦末期(1944年~1945年)に、航空機製造の疎開工場を建設するために掘られたものの一部です。地下壕の建設に携わったのは、強制連行された朝鮮人と中国人で、重労働と栄養失調などによる死傷者も多数出ました。」

「地下壕の天井や壁面には、多くの貝化石が露出しています。この地層は、およそ1700万年前に、10メートルより浅い砂底の海に堆積したものです」

広大な地下壕の一部を無料公開している

「化石の地下壕」として一般公開されている部分は、約70メートルほどの奥行ですが、実際に工場を作るために掘られた長さは8159.26mもあるのだとか。

残りの一部は「地球回廊」という地球史に関する博物館として利用されていました(2021年4月に閉館)。

化石の地下壕は2016年にリニューアルがされたようです。
地層表面は綺麗に掃除がされ、足元にはライトアップがされています。

内部には化石が

白い貝化石が壁に埋まっているのがわかります。

化石についての説明書きがありましたが、どれがどの種類の貝なのかよくわかりませんでした。

日本と中国での戦争認識の違いについて

ここでは、無理やり連れてこられた中国人や朝鮮人の人が働かされて、過酷な労働条件と重労働、栄養失調により病気や事故で、330人中39名が命を落としました。また、日本にたどり着く前に亡くなってしまった人も多くいます。

「第二次世界大戦」と聞いたときのイメージとしては大半の人が「アメリカと戦争をし、アメリカに負けた」「世界で初の原爆が投下された」ということを思い出します。相手は常に「アメリカ」ですよね。

でもその背景には中国人・朝鮮人に対する過酷な強制連行・強制労働が行われていたのです。

戦後20年ほどたってから、瑞浪市主催で毎年9月18日に「中国人殉難者慰霊供養祭」が行われるようになりました。

なぜ9月18日なのかというと、1931年9月18日は満州事変の発端となった日(=日本が中国に侵略した日)であり、中国では「国辱の日」とされ、とても重要な日とされているからです。

中国にとっては「1931年から1945年の14年間、日本と戦っていた」「そのなかで多くの若者が非人道的な扱いをされ、亡くなった」「この発端となった日、9月18日を忘れてはいけない」とされているのに対し、

日本では「戦っていた相手=アメリカ」、「忘れてはいけない日=8月6日、9日(原爆が投下された)そして8月15日(終戦の日)」という意識が強い。ていうか私自身、なぜ9月18日に慰霊供養祭をするのだろうと、まったくピンとこなかったのです。

そんな感じでかなり日本と中国での戦争についての認識が違うよなぁと感じさせられた日でした。

化石の地下壕に行ってみよう

とってつけたように「化石をさがしてみよう!」という看板が貼られたりしていますが、「化石の地下壕」は戦争で起きた悲惨な出来事を後世に伝えるための重要な場所です。

中は清潔で虫もいないので怖がらずに入ってみてください。

まぁ、とくに何があるってわけではありませんが。

それにしてもこういう戦時中の壕って、今後どんどん改装されて綺麗にされていくのでしょうか?遺品がまだそのまま残っている壕も、国内のどこかにあったりするのかな?

アクセス

〒509-6132 岐阜県瑞浪市明世町山野内

瑞浪市化石博物館」の横にあります。

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