閑静な町並みに現れた気になる建物
\ジャジャーン/

どうですか、この建物は。
2階が雀荘となっている喫茶店です。
ストリートビューでも確認できますが、交差点のちょうど中央を向いているように大きな顔が描かれています。かなり奇抜。
奇抜ではあるが、前だけ見て歩いていたら、事前情報でもない限りここに顔があることには気がつかないだろう。
ランチも食べられるよ!喫茶軽食「記念樹」

「記念樹」と記されたレトロ看板。
記念樹とは本来、誕生日や卒業祝い、新築祝いなどの個人の記念に植える木のこと。喫茶店の名前が「記念樹」なのはなんとも楽しげだ。
全席喫煙席|くすんだ調度品が並ぶ店内
ドアを開けると、ぼんやり薄暗い店内で、1名の先客が寛いでいた。
お昼時ということもあり、近くの大学生がたむろしているかもしれない、そうだったらイヤだな、と思っていたのだが、老人しかいなくて安心した。純喫茶ハンターとしては、この枯れた景色もまた理想形。
カウンターからピンクのエプロンをつけた店主が出てきて、「お好きな席へどうぞ」とにこやかに案内をしてくれました。

店内を見渡すと、壁際にゲームテーブルを発見。
一口に「純喫茶マニア」と言っても、そこにはいろんなマニアの心があり、いろんなマニアの事情がある。店内のインテリアにロマンを感じる者、メロンソーダに思いを馳せる者、コーヒーの味やモーニングサービスに重点を置く者、など喫茶マニアの中でも様々な派閥があると思っている。
私はその中でもゲームテーブルにロマンを感じる、”純喫茶・ゲームテーブルLOVER“だ。
ゲームテーブルが置いてあるだけでも珍しいのだけれど、今でも稼働している喫茶店はかなりレア。
かなりホコリっぽくてカオスな壁
そういうわけで即座に腰かけたのだが、一体いつから掃除していないのか、テーブルの端に蜘蛛の巣が……。
そそくさと別の席に移動。普通のテーブルになっちゃったけれど仕方なし。
アイスコーヒー(300円)とハムトースト(350円)を注文。
料理を待つ間、ヤニが染みこみ、埃っぽい店内を観察させてもらった。

メニュー表。定食メニューが豊富。デザート系は見当たらず。

日本画、犬のカレンダー、中華っぽい壁掛けなどかなりカオスな壁。

店の入り口付近に不気味なお面。ちょうどこの人と目が合う位置に座ってしまっった。髭が怖い。パイレーツオブカリビアンのデイヴィ・ジョーンズみたい。
![パイレーツ・オブ・カリビアン』デイビー・ジョーンズの全て! | ciatr[シアター]](https://images.ciatr.jp/2017/06/w_828/zyuSPui9FEfkQ1Nl0RD4ULDw8VSyMJCG5YQZDT0B.jpeg)
ハムトーストを食べるよ
ほどなくして私の前にアイスコーヒーとハムトーストが置かれた。

「〇〇トースト」ってどこのお店も大差ないし絶対家で食べたほうが安いものだけれど私は好きでよく頼む。
野菜と薄い加工肉を挟んだパンとうやうやしく入れられたコーヒーに650円を払い涼しい顔をしていられるほど儲かっていないが、喫茶店は昔から自分を保つもののひとつとして時々通うことを大切にしているので節約などできない。
バターの塩気とマヨネーズのハーモニー、
焼いた食パンをアイスコーヒーで流し込む感覚。この上ない幸せです。
こんな幸せはすべて喫茶店で知ったのだ。大げさだけれど、名古屋生まれで良かったと感じる。
料理がおいしい「記念樹」へ行こう
常連客らしき初老の男性が入店してきた。
お店のピンク電話でどこかに連絡した後、先客の男性の席にゴロンと寝そべって煙草を吸っていた。
建物外観の「ドヤ」な感じとは裏腹に、やる気を全然感じない空気感が漂う。
店主も含めて、壁際のホコリやクモの巣を避けるかのようにして中央のテーブルに集まって寛いでいた。きっとこの光景が「記念樹」の変わらない日常なのだろう。
さて、いつもなら読書をして長居するところですが、店内に積もったホコリに私の鼻腔が耐え切れず、さっさとお会計することに。
こういう常連客だけでやっているお店って入りずらいし、自分みたいな若造がひとりで入ると「なんだこいつ?」という顔を向けられることもたまにあるけれど、物腰柔らかな素敵な店主さんに会えて、勇気を出して入ってよかったと思った。
ご飯モノが美味しい純喫茶って、だいたいにおいて接客が良い。
最後にもういちど
\ジャジャーン/

アクセス
〒457-0818 愛知県名古屋市南区白水町39−9 喫茶記念樹
9:00~18:00
コメント