「旧中埜家住宅」は、愛知県半田市にある明治モダンなかわいい洋館。
あのミツカングループを創業した「中埜家」の10代目「中埜半六」の別荘として明治44年に建てられました。
貴重な洋風建築として、国の重要文化財に指定されています。
普段は外観しか見ることはできませんが、年に2回ほど、特別に内部を見学することができます(要予約)。
特別公開日は要予約!

人数制限があるので予約は早い者勝ちです。私はキャンセル待ちで運よく入場させてもらいました。ありがたい……。
ちなみに私が訪れた日には、大学の吹奏楽部生さんによるミニコンサートが行われていました。
素敵な洋館でフルートの四重奏をきけるなんて、私などにはなかなか縁のない体験でよろしかったです。
ミツカングループの別荘!すごいところ


- 建築当時と姿がほとんど変わっていない
- 有名な建築家の鈴木禎次が設計
- 希少な材料やガス灯などが残っている
半田市・旧中埜家住宅の外観と歴史
建物の入り口で受付をし、スリッパに履き替えて中に入ります。
外観はこんなかんじ。庭にはバラが植えられていて、優雅な雰囲気です。
入り口ホールに入ったとたんクララになった。

ベランダの柱もバラのモチーフが使われています。なんてカワイイの!

- 明治44年(1911)第10代中埜半六の別荘として建築
- 昭和25年(1950)洋裁学校として利用されるようになる
- 昭和51年(1976)国の重要文化財に指定される
- 平成24年(2012)半田市へ無償譲渡される
老朽化した建物の保存修理が行われる
旧中埜家住宅の内観|客室

客室です。台形に突き出した出窓(ベイウィンドウ)が素敵です。
隣のドレスは隣の洋裁学校の生徒さんの作品だそうです。

上部には漆喰の彫刻が施されています。
明治時代特有の和洋入り混じるインテリアっていいですよね。
各部屋の暖炉に注目
旧中埜家住宅には、広間、客室、食堂、寝室の4つの部屋に暖炉があります。

タイルや形に変化を持たせるなどそれぞれに意匠を凝らしています。


葉っぱ柄のタイル~いいな~。
貴重な素材で作られた階段

2階へ続く階段には、全面にビニールが覆われています。
なんでも、階段に使われている「天然リノリウム」という素材が大変貴重なものなのだそうです。
明治モダンなインテリアがかわいい

洋裁学校だったので、ミシンが置いてありました。

天井裏の謎のドア。「なに?監禁部屋!?」と思ったら、物置部屋だそうです。

当時の壁紙がそのまま残された部分。
設計者の鈴木禎次は夏目漱石の義弟!?

旧中埜家住宅の設計をした鈴木禎次氏は夏目漱石の義弟にあたり、彼の墓も設計しているのだとか。
他にも名古屋銀行や岡崎銀行、松坂屋百貨店など、愛知県内での数々の建造物を残しています。

↑ここから徒歩10分の「半田赤レンガ建物」(旧カブトビール半田工場)も彼の設計によるものです。
壁には、終戦直後に撃たれたP51小型機による銃撃の跡が残っています。
展示もけっこうおもしろいのでセットで訪れるのがオススメ。
旧中埜家住宅へ行こう

建築当時とほとんど姿が変わっていないとはいえ、老朽化による雨漏りや破損が著しく、大掛かりな保存修理が行われたそうです。それはすべて、「文化財」として後世に残すため。
国に認められれば、お金をかけて修復してもらえるというのは良いことですね。でもそのあとに「やっぱ返して!」なんて言えないのが残念ですよね。こんな素敵な洋館に住めたら最高なのにね。ま、そのおかげで私みたいな人が興味を持って、見学できるのでありがたい限りです。
半田市にはこのような重要文化財が数多く残っているそうです。いろいろ行ってみたいな。
場所|近くに有料駐車場あり
〒475-0859 愛知県半田市天王町1丁目30−2
ちかくに有料駐車場あり
名鉄河和線知多半田駅から徒歩3分。
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無料
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