ビスケット屋の奥に秘蔵のコレクションが!「レトロスペース坂会館」をひとり見学してみた。

北海道の珍スポット

札幌にある珍スポット「レトロスペース坂会館」をご紹介。

札幌旅行といえば時計台?グルメ旅?

それももちろん良いけれど、私のオススメは「レトロスペース坂会館」に行って昭和時代にトリップしたような不思議で楽しい1日を過ごしてみること。

あまり知られていないけれど面白いスポットに訪れてみたいという方にはぜひチェックしていただきたい。

坂ビスケット売店に併設「レトロスペース坂会館」とは

札幌市の(地下鉄)二十四軒駅から徒歩10分くらいの場所にある私設博物館。

北海道の有名な製菓会社「坂ビスケット」の売店に併設されている。

現在は封鎖されているレトロスペース坂側の出入り口。

入場するには「坂ビスケット」の売店側から入る。

窓際に飾られた女体の形をしたコーラの瓶や、古いお人形たち。

このなんともいえないごちゃ混ぜ感が、異様な雰囲気を醸し出している。

しかし、勇気を出して入ってみれば、優しい館長さんが待っているのでご安心を。

いざ入館!最初は少し緊張。

開店時間を過ぎ、入り口が開いた。

レトロスペース坂会館に入ってすぐはこんな感じ。

外からは暗くてよく見えなかった館内は、レトロな雑貨たちがずらりと並んでいる。

ここは昔の酒瓶アルミ製の弁当箱お箸ケース洗剤の容器などのコーナー。

時代を感じる。

昔の洗剤のパッケージは可愛い。
丸っこいフォントも特徴的でオシャレだし、日焼けして変色しているのも味がある。

先客はいなく、静かな館内をそろりそろりと手探り状態で足を運ぶ。

ここ、通路がとっても狭いのです。

素敵な展示品たちを倒さないようにカニ歩きで気をつけながら歩きます。

坂館長にお話を聞きました

セーラームーンのお面の前を通ってさらに先に進んだところで、この博物館の館長さんにお会いしました。

真っ白なジャンプスーツ(左胸に”坂ビスケット”の刺繍)がかっこいい。

この日は私が1番乗りだった為、ラッキーなことに館長さんに色々とお話を聞くことができた。

館内の展示物の解説などなど・・・。たくさんのお話を聞くことができた。

想像通り、坂館長は物知りで優しくて素敵な人だった。

Q.レトロアイテムをコレクションし始めたきっかけは?

このような博物館を開くことになったキッカケを質問してみた。

昔からこのような趣味があったわけではなく、こういうものを集め始めたのは40代後半になってからだそうだ。

ゴミ捨て場に置かれているマネキンを家に持ち帰り(捨てられるマネキンを見て、50代に差し掛かるご自身と重なったそうだ)、自分でペイントしてみたのが始まりとのこと。

当時は今のようにゴミの捨て方が厳しくなく、ごみステーションから持ち帰ることがしやすかったそう。

色々なものをコツコツ集めていたら博物館にできるほどの量になったというのが凄い。

Q.どこから集めてくるの?

とはいえ、全てごみ置場から集めてきたわけではない。

海から拾ってきた珍しい素材の石(名前を忘れてしまった・・・)だったり、展示されている戦闘機の写真はご自身で撮影したものだったりと、館長自ら足を運んで収集したものがほとんど。

そのほか、お爺様の住んでいた家の柱の一部や、お父様が所持していたすごく古いカメラなど。

お父様に抱っこされるベイビー坂館長。

骨董品屋から買い入れたものは無い。

知り合いから「こんなのあるんだけど、博物館に展示しない?」と連絡をもらうこともあるそうだが、もう飾るスペースがないので最近は断っているそうだ。

⬆︎近くの喫茶店で使われるフルーツ缶。
COVID-19の影響で余ってしまった在庫を250円で購入したらしい。安い。

捨てられたごみが、展示品として再生する。

途中で、他のお客さんが入ってきたのだが、「懐かしい気持ちになる」「テンションが上がる」と話していた。

廃棄寸前だった色々なモノが、館長の手によって「懐かしい気持ちにさせてくれる作品」に生まれ変わっている。

(平成生まれの私にとってはどれも前衛的でカッコイイ展示品に見えるのだが)

また、世界中で問題されている環境問題についても館長は語ります。

プラスチックの原料になるペレット

プラスチックごみが海に投げ捨てられ、それを食べた海洋生物が死んでしまったり、有害物質を含んだ魚を食べることで、人間の健康にも影響が出る。

なんでもすぐに捨てるのではなくて工夫して再利用したり、そもそもすぐにダメになるモノを買わないことが大切だと思った。

大量のリカちゃん人形・・・なぜ亀甲縛り?

なかでも異彩を放っていた、立派な展示。

かつて子供たちを喜ばせたリカちゃん人形が身体を縛られたり、目隠しをされている。

子供達が成長して、不要になったリカちゃん人形を大量に引き取ったそうだ。

しかし、落書きをされていたり、髪を抜かれていたり、状態がよくなかった。

そこで包帯で頭を巻いたり、紐で縛ることで状態の悪さを隠したのだ。

ちなみにプロの緊縛師さんに依頼したそうだが、人間の身体よりもはるかに小さいリカちゃん人形を縛るのは、とても難しいらしい。

しかし、縛られている理由はそれだけでは無い。

よく見てみると、十字架のネックレス聖母マリアの陶器や、踏絵が紛れている。

なんだか可哀想に見えるこのリカちゃん人形たちは、江戸時代に迫害され、拷問されたキリシタンを表現しているそうだ。

SM趣味などではなく、館長のアート作品であることが分かる。

大人向け!ちょいエロな下着コーナー

ハリーポッターがホグワーツに入学する前に過ごしていた部屋みたいな、階段の下の小さいスペースには、女性ものの下着バレエシューズが展示されていた。

全て額縁に入れられていたり、ホコリもなく綺麗な状態を保たれている。

どうして女性用の下着を飾ろうと思ったのか、その考えを聞けなかったことが悔やまれる。

リカちゃん人形のように、何か考えがあっての展示かもしれない。

次にいく時は聞いてみよう。

坂ビスケットの購入を!

お金を払ってでも訪れたい場所だが、なんとレトロスペース坂会館の入場料は無料だ。

それでも暖房をつけるための電気代などはかかる。

本館の運営継続のため、ビスケット類のご購入をお願いしております。」の張り紙がされていた。

ごまスティック(90円)と、レトロスペース坂会館の電話番号入りのボールペン(300円くらい)を購入。

このボールペン、書き心地がすごくイイ。おすすめ。

「レトロスペース坂会館」に行こう!

北海道で最も有名な珍スポット。

写真だけを見ていると、意味不明・怪しい感じがプンプン漂うが、実際に説明を聞きながら館内を見て回ると、貴重な物がたくさんある。

気さくに、また深い話をしてくれた館長の坂一敬さんに感謝の気持ちでいっぱいだ。

館長は「つまらない話に付き合ってくれてありがとう」などと謙遜するが、自らのコレクションについて、当時の思い出と共に語る姿には貫禄があった。

徒歩5分ほどの場所にあるバス停で、「今日の夜食はごまスティックだ」とご機嫌な気持ちでバスを待つのであった。

アクセス

 〒063-0803 北海道札幌市西区二十四軒3条7丁目3−22

(地下鉄)二十四軒駅から徒歩10分

JR北海道バス「山の手1条通り」徒歩5分
さっぽろ駅まで20分くらいなのでアクセス良好。

営業時間・定休日

⬆️私は水曜日の13時にお伺いしたのだが、坂ビスケットの方のみ先にオープンしており、博物館の方は「14時から」と案内して頂いた。

たまたまその日だけ開店時間が遅れたのかは分からないが、事前にフェイスブックページなどで営業時間をチェックするのが良き。

レトロスペース坂会館入場料

無料

※ビスケットや館内オリジナルグッズを購入しましょう!

レトロスペース坂会館にいく前に※注意点

  • 展示品を触ってはいけません
  • 大きな荷物は避けよう
  • お子様連れはオススメできません

展示品を触ってはいけません

館内に注意書きがされているように、展示品は目で見るだけにしておくように。

大きな荷物は避けよう

館内の通路は人一人分がギリギリ通れる狭さだ。

大きなリュックなどは少し振り向いた時に展示品を倒してしまうかもしれない。
ボディバッグなどの小さなバッグで挑もう。

お子様連れはオススメできません

実際に見学してみての個人的な意見ですが、お子様連れはオススメできない。

自分が子供時代に見ていたら、トラウマになっていただろうと予想できるモノが多くあったからだ。

子連れでの入館レポをネットで見たので、念の為。

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